【簡単に作品紹介とあらすじ】
キャッツはミュージカルとしては非常に有名で人気のある作品です。ブロードウェイではロングランを記録し、世界で最も成功したミュージカルのひとつ。私も劇団四季のキャッツは何度か観ています。
しかしストーリーはとてもわかりにくい。
雑に説明すると、「都会のゴミ捨て場で鋭く生きるキャッツたちが、年に一度開かれる舞踏会に参加するために集まって、歌って踊ってその中から天に昇る1匹の猫が選ばれ、新しい人生(猫生?)を送ることができる。」です。
【何故舞台版は評価が高いのか】
舞台で観ると圧倒的なパフォーマンスと素晴らしい曲で、臨場感ある世界観に飲み込まれ本当に感動します。出演者の極限まで研ぎ澄まされた猫の動きが象徴していますが、「いかに猫にみせるか」という部分にこだわり、全て猫目線で「猫の世界のファンタジー」を徹底しています。
会場を出る頃にストーリーが腑に落ちないことに気がついたとしても(笑)、そんなことは気にならないほどの「人の技」を見ることができるのです。
【映画版キャッツの「猫人間」騒動】
映画版も振り付け、衣装、メイク、セット、CG、どれをとってもクリエイター達の努力が滲み出ています。
しかし日本上映前から観るのを躊躇ってしまうほどの酷評の嵐。映画版キャッツについて、各所で使われている言葉が「猫人間」。酷評の原因はこの言葉に集約されているなと思います。
CGでファンタジーではなく「リアリティ」を出してしまった。出さなくていいリアリティ、見たくないリアリティ、ゴキブリ必要・・?生々しさが強調されてしまい、猫の世界をイマジネーションすることが難しい。人間では確かにないのですが猫かといわれると疑問で、やはり「猫人間」。
ストーリーだけでもわかりやすくなっていたらもっとよかったのかもしれないと思いました。ただ、歌は素晴らしいのでミュージカル映画として割り切って観るのは良いかもしれません。